2020/05/08
全市民にマスク配付、1人1枚
香港では新型コロナウイルス肺炎(COVID―19)流行状況が緩和されつつあるが、特区政府は全市民へのマスク配付を計画していることが分かった。
5月4日付香港各紙によると、政府の防疫専門家顧問を務める香港大学微生物学系の袁国勇・教授は3日、政府が市民に繰り返し使えるマスクの配付を計画していることを明らかにした。マスクは香港紡織及成衣研発中心(HKRITA)が研究開発したもので、フィルターを含め60回洗うことができ、すでに少なくとも700万枚生産されているという。
特区政府創新及科技局は3日、メディアの問い合わせに回答し、林鄭月娥・行政長官が2月に「防疫抗疫基金」を利用して繰り返し使えるマスクの研究開発と生産に資金援助し、市民1人に1枚配付することを目標にすると発表していたと説明。同局の準備作業は最終段階に入っており、間もなく詳細を発表すると述べた。
特区政府が全市民への配付を計画しているマスクの詳細が分かった。
5月4日付香港各紙によると、このマスクは香港紡織及成衣研発中心(HKRITA)が早くから研究開発していたもので、水洗いで使い回しでき、空気中の微細粒子、細菌、ウイルス、PM2.5を防御できる。当時のテストでは20回水洗いした後も米国の「ASTM F2100 Level2」のマスクの基準を満たしており、細菌濾過(BFE)と微粒濾過(PFE)の面では98%余りの機能を備えている。
さらに抗菌と粒子濾過の機能では独特の技術を採用。マスクには2つの磁気チップが内蔵され、磁場によって空気中の微粒子の運動ルートを変更させ、より有効に微粒子の侵入を防ぐ。さらに運動人体工学による設計で顔の皮膚に密着する。
このマスクは2018年に「第46回ジュネーブ国際発明展」で金賞を受賞。ただし今回配付されるマスクがこれと同じ技術を採用しているかは定かではない。
参考文献:DIGIMA