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2020/12/07

フィリピン

フィリピン航空 破産手続き開始か

コロナ禍で世界中の大手、中小を問わず航空会社の経営が苦しくなり、延命を図るために国からの資金注入、或いは合併など航空会社は生き残りに必死だが、フィリピンを代表するフィリピン航空(PAL)が破産手続きをするとの観測が流れている。

PALは会社を存続するために、アメリカ連邦破産裁判所にアメリカ連邦破産法第11条の適用を申請し会社再建を目指す模様で、同法は日本の民事再生法に該当する。

この申請が認められると、裁判所命令で債権の取り立てが停止され、会社側は債権者側と負債の整理や契約見直しなどの協議を始め、原則として120日以内に再建計画が作られる。

PALには日本の同様に苦境が伝えられる全日空(ANA)も出資していているなど外資企業の債権者も多く、短期間でそれら出資者の同意を得られるかどうか未知数となっている。

PALはコロナ禍になる以前の2017年から2019年まで3年連続で経営の赤字が続き、従前から倒産説がささやかれていて、PALの2020年度1月~9月期の損失は288億5千万ペソ(約600億円)に拡大している。

この様に赤字から抜け出せない状態になっているが、社主であり、フィリピンで2番目の富豪と見做される中国系経済人のルシオ・タンにより何とか延命を図っていた。

今回も同氏の関連する金融機関などから5億5千万ドルを注入すると報じられているが、2000年代初めにPALが倒産危機に陥った時、同氏による救済工作で延命したが今回は状況が違っていて再建の道は険しいとされる。

また、フィリピン政府資金の注入も考慮されているが、現政権は政商であるルシオ・タンとは距離を取っているために、簡単には行かないと見られている。

PALは経営再建のため保有機数の2割に当たるリース機20機の契約解除や今年末までに全職員の35%に当たる2700人以上の大幅な人員整理を行うとしているが、体質的に放漫といわれる社風から簡単ではないとの指摘もある。

こういった苦境の中、PALは一時期、定期便を全便欠航するなどの措置に出ていたが、少しづつ運行を再開し11月現在、マニラから海外25ヶ所、国内22ヶ所、計47ヶ所の都市間に定期便を飛ばし、徐々に路線の復帰を急いでいる。
参考文献:DIGIMA

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