2021/07/23
日本寄贈のワクチン フィリピンに到着
7月10日現在、新型コロナ累計感染者数は世界でも23番目に入る146万人を超え、東南アジアではインドネシアに次ぎ、毎日6000人前後の新規感染者を生じているフィリピンだが、ワクチン接種事業は進んでいない。
特にワクチン不足は深刻で、政府は数量の確保に懸命している中、このほど日本政府から112万4100回分のワクチンが贈与された。
贈与されたワクチンは日本で作られたアストラゼネカ社製品で、日本から空輸された7月8日、マニラ首都圏にある空軍基地で引き渡された。
この引き渡し式には大統領も出席し日本政府に対して感謝の念を述べ、日本側も日比国交回復65年の節目でもあり、日比友好が更に深まりコロナに打ち勝つことを強調した。
日本政府のワクチン寄贈は台湾などを含めてフィリピンは5番目で、フィリピンに次いで9日にはタイへ寄贈される。
この様にワクチン不足で悩む国と地域に日本は寄贈を続けているが、一方で国内ではワクチンが不足して接種事業にブレーキがかかっていて、コロナ対策は場当たり的であることがまたもや露呈している。
これは所管大臣が自治体などに接種事業を早く進めるように圧力をかけながら、政府供給のワクチン確保が追い付いていないのを隠蔽していたことを指すが、当の大臣は安倍-菅と続く自民党内閣の『説明しない』ことで逃げている。
また、寄贈しているアストラゼネカ製ワクチンは、日本では厚労省は薬事承認はしていても、副反応が強い例から公的接種には認可されていなくて、自国で使わないワクチンを他国に贈るのは矛盾しているのではないかとの批判も強い。
特に台湾では政府筋では感謝の念を日本側に伝えてはいるが、一般の間では不人気で一時的な歓心を買うための寄贈はためにならないと指摘されている。
なお、フィリピンは新型コロナ・ワクチンに関してはその出自を問わず受け入れていて、今回寄贈されたアストラゼネカは勿論のこと、効果が疑われている中国製やロシア製なども到着次第接種を行っている。
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